長浜市緊急開催「フードドライブ」【芝浦工業大学びわ湖SDGsツアー】

長浜市はコロナウィルスが原因で仕事が減ることにより、収入が減ってしまった人を対象に長浜市ならではの人との繋がりを生かしたフードドライブを行った。今回は、フードドライブの経験の過程と結果について取材を行った。

半数が外国籍の方々「フードドライブ」

新型コロナウイルスの影響で、長浜市社会福祉協議会には3月末~4月上旬にかけ て1日20組以上もの人々が生活資金の貸付のため訪れた。そこで、今日食べるも のが十分にない人、国からの給付金が届くまで生活費の確保が難しい人たちに向けて、「ながはまおもいつながるプロジェクト」を関係機関の連携のもと立ち上げ、コロナ禍における支えあいの活動として「フードドライブ」を3回にわたっ て開催した。結果としては、第1回は47世帯128名(うち22世帯が外国籍)の方々に 食料品を配布した。第2回は長浜市の大学・専門学校に通う単身で暮らす学生を 対象に行い、76名(84名申請)の学生が来場した。第3回は、生活福祉資金の申請 及び住宅確保給付金申請・自立相談支援窓口へ相談された世帯を中心に行い、 212世帯(事前予約271世帯)に配布した。今後の課題としては生鮮食品の保管場所 の確保が挙げられる。

 

田舎特有「白菜トレード」

長浜市には多くの畑があるため「季節野菜のトレード」がある。これか らの時期は「白菜トレード」が行われるらしい。「白菜トレード」とい うのは、自分の家では消費しきれないほどの白菜を収穫すると、お隣さ んにおすそ分けするが、そのお隣さんも自分の家の畑で収穫した白菜が 余っているためまた別の家におすそ分けをするという状況のことであ る。フードドライブ担当者(以下担当者)は、この住民同士のつながりの ことを「おせっかいのつながり」と呼んでいた。ここで問題視されるの が食品ロス問題である。スーパーに並ぶほどの白菜を無駄にせず、必要 としている方々にしっかりと届けられるようにするためには、食品ロス に対する認知度をあげる必要があると社協の方は考えている。

白菜の収穫

想定以上の食品-広がる人の輪

長浜市では非正規雇用労働者と外国人の住民が多いため、今回のコロナ禍の影響を受けた人が多く、たくさんの相談が寄せられていた。それらを解決するために家庭で余っている食品を募集し、足りない人に分配する活動であったが、想定していた量よりも多くの食品が届き、困っている外国人や学生など相談してきた方に配ることができた。食品の受け渡しの際に感染を拡大させる訳にはいかないので換気や人の入れ替え、食品の消毒など企画から実行まで時間がない中、細部まで気を配った。その結果、日本人だけでなく受け取りに来た外国人の住民からは「どうしてここまでしてくれるのか」など驚きと感謝の言葉が伝えられた。この活動では日本人と長浜市の温かさを十二分に発揮することができた。

 

取材先|長浜市社会福祉協議会
取材者|芝浦工業大学  今泉結夏・山本絋平・吉野温斗

芝浦工業大学 びわ湖SDGsツアーについて

芝浦工業大学 びわ湖SDGsツアーでは、2020年8-9月にかけて滋賀県内のSDGsを実践者への取材・記事作成を行う「SDGs Studios」プログラムを実施しました。今回は、新型コロナウイルス感染症の影響により全てオンラインで、受講生が滋賀県内の取り組みを調べながら、自身の興味・関心をもとにグループメンバーと協働で記事作成に取り組みました。