未来のまち、市民と専門家の連携【芝浦工業大学びわ湖SDGsツアー】

UDCBKは将来を見据えた都市デザインを創造するための拠点である。様々な立場の人の交流があり、それぞれの視点から人々の「快適で豊かな暮らし」を実現するために活動している。そのため各プロジェクトや日々の活動においての交流から得られることを知るために取材を行った。

公園を中心としたまちづくりを進める

南草津駅周辺の公園を中心としたまちづくりを進めるため、主に二つの活動を行っている。一つ目は南草津駅西口の東山道記念公園の利活用について取り組んでいる。遊具などはなく、広い芝生の公園である。人の賑わいをもってくるための活用法を考えている。二つ目は南草津プリムタウンという区画整備された住宅地の最初の公園(1号公園)についてである。実際に住んでいる住人に要望や意見を頂いている。できるだけ長く使っていただき、公共空間がうまく使われることを願っている。  また、十禅寺川沿いの景観にも配慮した新しい公園づくりを、市民、土地区画整理組合、草津市、大学などと連携して進めている。学生が授業で製作した都市建築デザインの作品のUDCBK での展示を行い、多様な視点からのまちづくりを考えている。

学生作品の展示

 

市民協働のきっかけとなるセミナーを主催

UDCBKはテーマごとに専門家と市民が集まり相互学習を行う「アーバンデザインセミナー」や市民と専門家をつなぐコミュニケーターの育成を目的とした「アーバンデザインスクール」などのイベントも定期的に開催されている。地域住民にとっては、行政や外部の専門家のまちづくりに関する知見や先進事例などの情報を得ることができる。一方外部の専門家は住民目線での地域の課題やニーズについて意見を求めることができ、お互いにメリットがある。また、意見交換を通じて、今までになかったまちへの気づきや捉え方を知る“きっかけ”にもなる。このようなめ様々な交流を通じ、市民との協働プロジェクトの実施へとつながることもあるのだ。

アーバンデザインセミナーの様子

 

地域のプラットフォーム

滋賀県草津市にあるUDCBKの事務所の近隣には立命館大学、滋賀医科大学、龍谷大学などの多くの教育機関が立地している。高校や大学との連携の中で高校生や大学生の課題の成果発表の場を提供し、事務所内は模型やポスターなどの学生作品、利用者の気づきや意見が書かれた付箋が展示されている。さらに、利用者にとって居心地の良い場所を提供するために間取りなどを考え、利用者の第一歩へのハードルを下げるよう意識しているという。そのため、学内の学生や教員といった身内の限られた人間だけでなく、外部の方にも意見や考えを共有することができるだろう。

このように、UDCBKは産・学・公・民それぞれが独立せずに協働して取り組む“きっかけ”をつくるプラットフォームの役割を果たしている。まちづくりの拠点となり地域主体の取り組みを実現している。

 

取材先|アーバンデザインセンターびわこ・くさつ
取材者|芝浦工業大学  高橋春斗・西上千里・三塚翔太

芝浦工業大学 びわ湖SDGsツアーについて

芝浦工業大学 びわ湖SDGsツアーでは、2020年8-9月にかけて滋賀県内のSDGsを実践者への取材・記事作成を行う「SDGs Studios」プログラムを実施しました。今回は、新型コロナウイルス感染症の影響により全てオンラインで、受講生が滋賀県内の取り組みを調べながら、自身の興味・関心をもとにグループメンバーと協働で記事作成に取り組みました。