学んだ知識を現場で活かす【芝浦工業大学びわ湖SDGsツアー】

滋賀県高島市では、立命館大学3年生の岡尾宗一郎様をはじめとする学生たちが中心となって、「さしおと空き家改修プロジェクト」という活動名のもと、倉庫の改修が行われている。私たちは、自分と同じように大学で建築を学ぶ学生が、現場に出てどのような活動を行なっているのか、SDGsとどのような関わりがあるのかを知るために取材を行なった。

学生の手による倉庫の改修

倉庫が廃業になった後、台風の影響を受け、建物として機能させるには改修が必要であった。この地域の人とつながりのあった芝浦工業大学の中口毅博先生が、岡尾様に話を持ちかけ、このプロジェクトは始まった。この倉庫改修には、大きな特徴が二つある。まずは、廃材を上手く活用している点だ。倉庫自体の廃材だけでなく、周辺の空き家の廃材も資材として用いている。もう一つは、改修後の建物の用途を定めすぎずに、若者や地域の人たちが集まれる自由な空間を目指している点だ。このプロジェクトで、学生たちは、改修後のイベント企画、運営にも携わることとなっている。

 

SDGsへの貢献-廃材利用等の環境配慮

SDGsのゴールを意識して活動するというよりかは、空き家改修を進めていく上で何かSDGs達成に関わるものがあるという考えがあると見受けられた。壁のきれいに腰壁に使われている資材は改修時に発生した廃材を使用しておりこれはまさしくSDGs12.つくる責任・つかう責任に関わるものである。空き家改修そのものや、今後ユニバーサルデザインも導入していくことはSDGsゴール11.住み続けられるまちづくりをに大きく関わっている。またこの活動がもっと普及していけば、木材などの伐採量が減りSGDsゴール13や15などの自然環境に直接関わるSDGsにも関わってくるのではないかと考えた。

廃材を活用してデザインを工夫

 

地域愛される若者の拠点を目指して

倉庫が完成した後の活用として学生が「自由に使用できる拠点」として利用する予定だ。また、地域の子供を対象とした木工体験などのイベントも考えている。現在は倉庫の内装作りを行っており、1つ部屋が完成している状況だ。今後複数の部屋の作成を予定している。部屋の作成をする際の内部のコンクリートの基礎や床から全て自分たちの手作りである。この部屋を作成する上での材料の一部は、倉庫の廃材や近くの小屋を解体して出た材料を有効活用している。

 

取材先|さしおと空き家改修プロジェクト(高島市)
取材者|芝浦工業大学  勝浦真帆・田畑賢次・萩野慎吾

芝浦工業大学 びわ湖SDGsツアーについて

芝浦工業大学 びわ湖SDGsツアーでは、2020年8-9月にかけて滋賀県内のSDGsを実践者への取材・記事作成を行う「SDGs Studios」プログラムを実施しました。今回は、新型コロナウイルス感染症の影響により全てオンラインで、受講生が滋賀県内の取り組みを調べながら、自身の興味・関心をもとにグループメンバーと協働で記事作成に取り組みました。